近年、完成度の高いなりきりオバケを日本のハロウィンでも見かけるようになりました。メイク技術やコスチュームの製作や取得が水準高く出来る時代です。近寄られると、本格的に怖い姿の方々が結構な数いらっしゃいます。この変装のクオリティ。練り歩き中に見かけて、その晩何度も思い出して、眠れない夜を経験した方のお話しを聞くことがあります。恐ろしい残像は、たとえ相手が生きた人間だと分かっていても身震いするものです。家に戻り、一人の時間にその残像が脳裏から湧き上ってくると、心臓がバクバクと音を立てます。そうして「アレは人間だったけど、本物のおばけが来たらどうしよう!」一人の静かな夜、恐ろしい形相のおばけを想像し恐怖の無限ループを過ごします。たいてい、このように想像し怖いけれど、イメージだけで終わるパターンがほとんどかと思われます。それを何度も繰り返していくうちに、やっぱりおばけなんかいない、怖くないと思うようになります。これも一つの成長ですので、おばけに怯えなくなるというのも立派です。ただ、よく考えてください。その方の怖がっていたものとは何でしょう。変装した『人間』です。怖がらせるために化けた姿です。その心こそが本当のお化けとも言えますが、まずはここで、整理していきたいことがあります。皆さんの中のおばけの定義です。
一言でおばけと言っても、個人個人のなかでイメージするおばけは千差万別です。前述した見た目の怖いおばけですが、はっきり申しまして本当の霊でさえ、その形相にギョッとしています。自分たちはソレではないということを表していますね。皆さんの中のおばけのイメージでよく聞くのが『血まみれ』『足がない』『首がとれる』『腐敗』etc…。これらは、冷静に考えるとおばけというよりゾンビですね。唯一、血まみれだけは生きている人間でもあり得ることですが、出来ることなら避けたい状況です。腐敗していたり、首がとれて普通に動けるのは、ゾンビか妖怪くらいです。残念ながらゾンビは見たことがありません。妖怪は神界の方が何かを表現したい姿の場合もありますが、おばけとは異なりますので、また別の機会にお話しをします。あとは、足がないことだけはおばけである可能性に当てはまります。おばけというのを霊であると解釈した場合、本物は足がない方だけです。よって、恐ろしい血まみれや、腐敗の姿をした方が近づいてきて、どんなに近寄ってもクオリティ高くしっかりと血まみれであったり、触れられるほど腐敗の部分がリアルだったりした場合はニセモノのおばけなのです。最悪、その恐怖心を利用され、霊がそういった人間の姿を真似して現れることがあります。
ただ、本物の霊は血まみれの姿と平常の姿を瞬時に入れ替えることが出来ます。遠目だと血まみれなのに、近くだと普通の恰好であるとか、腐敗しているように見えるけれど、近いと本当に腐敗なのかどうか分からないくらいボヤけているとか、その一つの実体を一つのイメージのまま固定しないのが霊です。変装している人の中で、普通の恰好をした人がチラリと見え、まばたきをしたら消えていた。霊はそういう動きをします。ですので、いつまでも同じ怖い恰好でウロウロしているのは明らかに人間だということを覚えておかれるとよいかと思います。せっかくですので、このまま霊に関する皆さまの認識から、本当のことを順番に整理していきたいと思います。次は悪霊についての入門編をお話しします。